くそぉ・・・桃太郎のヤロウめ。 次回の決闘に向けて、さっそく作戦を練らねばー・・・。
<ガラガラー(←玄関を開ける音)>
ただいまミカワー。
む。 帰ったか、のぶお。
おつかいから帰って来ていきなりなんだけど、ミカワー。 実はちょっと相談が・・・。
なんだよ。
実はー・・・これなんだ。
かご? お前、まさかまた無駄なもん買ってきたとか言うんじゃねーだろなー。
ちがうよー。 さすがにいつもいつも"無駄買い"したら怒られると思って今回は様子みることにしたから、そっちは。
ちゃんと打算計算してるんだな。 ・・・ってコラ。で? そのカゴはなんなんだ?
実は・・・帰りに・・・自転車置き場で拾ってきちゃいました。
ワン!
い、イヌか・・・。 ・・・なんてこった。
めんこいでしょー。 ほっとけなくて。
ワンワン!
い、イヌ・・・。
かわいくて、ここが"キューン"てなるでしょー?
イヌ・・・。
あれ・・・? ならない・・・? おかしいな。 ・・・てゆーか、ミカワの様子が変だ。
・・・。 のぶお、お前に言ってなかったことが・・・。
?
オレは犬が嫌いなんだ。 ってゆーか苦手なのだ。
えぇッ!? ズガビーンッ!!Σ( ̄ロ ̄lll)
ちょっとカッコわるくてお前には言いだせなかったのだ・・・。
そんなー、ミカワー・・・。 しゅん・・・
すまんな・・・。
言われてみれば、あの時も・・・。
<戦いの最中、のぶおをイヌに仕向けるミカワ氏>
ふっ。 よく憶えていたな・・・。 なら、それとなく気づいていてもおかしくないのに・・・お前ってヤツは。
・・・ムッ。
ってことで、悪いな・・・。 おとなしく返してこい。
ちょっと待ってよっ。 ・・・ミカワは桃太郎のヤツを倒したいんだよね?
もちろんだ。
じゃあ、イヌを飼うべきだと思う!
!! な、なんだと!?
だって、このままだと桃太郎はおろか、その下僕の犬にさえ勝てないじゃないか!
そ、それはっ!!( ̄□ ̄;) い、痛いところを・・・
この先、桃太郎んトコの犬とサシの勝負になることだって考えられるんだよ。 そのために今ミカワがすべきことは犬に対する苦手意識を取り除いておくことなのだっ!
ぬぬ・・・なんだ、こののぶおから発せられているいつもと違うオーラは・・・。
この子はまだ子犬だし、慣れて行くには丁度いいんではなかろうか? いや、そうに違いないッ!
お、おぉ・・・。
そもそも、こんな子犬ごときにビビってんじゃないよ! この弱虫ヤローッ!!
・・・なっ!? 言い過ぎだバカやろー。 急に暴言吐きやがる・・・。
この子を追い出したければ、この子とボクを踏み倒していけーっ!
・・・いや、だからオレは犬が苦手・・・。
はいっ! じゃあボクらの不戦敗だね! この子は追い出せないよっ!
な、なんてムチャクチャな・・・。
クゥーン・・・。
お・・・おぉ?
あ。 ミカワの足をなめてるよ。
バ、バカ。 やめろ・・・。
きっとこの子の必死なお願いだよ。 この子だって生き延びるために必死なんだよ。
クーン・・・
・・・。 そ・・・そうか。
たのむよ、ミカワ。
う・・・うーむ・・・。
・・・。
・・・。
・・・。
・・・お願いだよ。
・・・まあ、お前の言ったことも一理あるな・・・。
・・・え?
コイツの面構えとお前の熱意に負けたわ。 生きるために必死になってるコイツの姿を前にオレの方が引くわけにはいかねぇよな。 それに・・よくよく見るとけっこうカワいく見えてきたぜ。 桃太郎んとこのアホ犬とは天と地の差だな。
・・・そうだね♪
ただまあ、オレも手伝ってやるけど、基本的にはお前が責任持って世話しろよなー。
もちろん、もちろん。 やった、やった、やったー!
やれやれだぜ・・・。 で? 名前はつけてやるのか? もうつけてあるのか?
名前はねー・・・。 あ! なんかいっしょに紙が入ってるよ、ここに。
ふむ・・・なになに。 『拾ってくれた心優しき方へ。 本当に申し訳ありません。 当方の管理力の無さゆえ、この子を捨てざるをえなくなってしまいました・・・。 こんなカワイイ子を置き去りにする私など地獄に落ちるべきなのですが、それもまた叶わぬ状況。 どうかこの子をよろしくお願いします。 この子の名前は"コジロー"です。・・・』か。 まあ何かの縁でこの飼い主と出会うことがあったらすかさず大王さまに地獄に送ってもらうようお願いしよう。
お前、コジローってゆうのかー。 よろしくねー。
わんッ!
それにしても、コイツけっこう大きくなるのかな・・・。
どうだろうね。
エサ代が高くなるようなら、のぶおのエサ代は減らさなきゃな。
わんッ!!
・・・"エサ代"って・・・。
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