よーし、のぶお。 コジローの散歩に行くぞ。
うぁぁぁぁぁ・・・。 今日はちょっと寒くて出る気がおきないや・・・。 2人でいってらっしゃい。
む。 この程度の寒さごときに怖気づきおって。 そんなことで、オニの役目がつとまると思っておるのかっ!
いいです、いいです。 つとまらなくて。 ボクはもう部屋から一歩も出たくないんです。
お前ってヤツはッ・・・! コジローを見てみろ! この寒い最中でも散歩に行こうとウズウズしとるというにっ!
コジローは"イヌ"だからいんだよー。 ボクは"オニ"だから寒さに強くありません。
アホがーーーッ!! 昔の先輩たちは、寒くても"腰みの"一つ着るだけで走り回ってたんだからなーッ!!
えぇ!? ほんとに!? ひくわー。
まったく、お前はっ!! もう許さん! その根性、叩き直してやるからちょっと外へ出ろッ!
えー!? 無理無理ーーッ!! うわー! 引っ張んないでーッ!!
<ヒュオオオオー・・・>
さ・・・サブい・・・。 やっぱり、今日寒すぎるよ・・・。 寒さMAXだよ。
お前に、この国に古くから伝わる、"かんぷまさつ"というものを伝授してやろう!
え。 なにそれ? ・・・って、この寒空の中、なんで上半身裸なのさーーっ!?
この状態で渇いたタオルで背中をこする! そうすれば、まさつ熱と運動による体温の上昇により、あったかくなるのだっ!
えーーっ!? なんで、そんなことをッ!? そんなんで、あったかくなるわけないじゃんっ! 変態ですか、あなたはッ!!
誰が変態だっ!! 言ってる間に、オレの方はだんだん、あったかくなってきたぞっ!
いやだー! この寒い中、上着を脱ぐなんてー!
言っとくが、やるまで部屋の中には入れてやらんからな。
オニーーッ!! o(`皿´;)o
フッ・・・、褒め言葉として受け取っておこう。
ちくしょー! 部屋に入ってあったかくなるために、この寒空の中、服を脱がなきゃいけないなんてー! なんて状況なんだっ!
人はな・・・、苦境を乗り切ってこそ強くなれるんだ。
なんかまともっぽいこと言って、ごまかしてるぅッ! むうう・・・、こうなったらやるしかないっ!! フンヌーッ!
おお!
これでもくらえーっ! ボクの背中ーーっ!
なんで自分の背中にケンカ売ってんだよ。 ・・・で、どーだ?
な、なんか・・・。 だんだん、あったかくなってきたよ!
フフフ・・・、そうだろう。 これでお前も寒さ克服だなっ♪
すごーい。 こんなんで寒さを克服できるなんてー。
うむ。 やはり、先人の知恵とは偉大なものだな。
背中だけじゃなくて、もっといろんなトコあっためたいなー♪ そーだ! ボクの場合、くちびるがおっきい分、余計に冷えちゃうんだよね!
ぬ・・・? そんなとこやってるヤツ見たことないが・・・大丈夫か・・・?
ゴシゴシー! うわー! めっちゃ痛いっ!
・・・そりゃそーだ。