コジローと散歩に行ってきたー。
おう。 もう遅いから晩飯にでもするか。
それにしても、この時間でも毎日アツくて死にそうだー。 ミカワ、なんか気のきかせた寒いギャグ言ってくれない?
悪いが、オレにはそんな器用な真似はできん。 他をあたれ。
ちぇ。 じゃあ、代わりにボクが寒いギャグ聞かせてあげるよ。
いらん。 よけい暑苦しくなるだけだ。
そんなー。 そうだ! なら、肝試しに行くのはどうかな?
肝試しぃ? 外にか?
うん。 近くのお墓があるところだよ。 近所の子どもたちが人魂を見たんだってッ!!
人魂だと? ふーむ・・・少し興味があるな。 ひょっとしたら、まだあの世へ行っていないさまよえる魂かもしれん。 オレたちの手で成仏させてやるか。
そんな感じで言われると、お化けを怖がりに行こうとしてる自分がバカらしくなるよ。 ・・・やっぱり肝だめしはやめよ。
いや、待て。 その話、放ってはおけん。 出るぞ、のぶおっ!
えぇ。 めんどくさい。 散歩から帰ってきたばっかだから、足がしんどいだよ、ボクー。
お前が言いだしたんだろがっ! さっさと立つのだ!
うひぃッ! しょーがないなぁ~
その必要はないぞ・・・。
ん? なんだ、今の声? なんか聞こえたよな、今?
まさか、コジローがしゃべった・・・?
・・・。 ワン!
そんなわけないだろ。
ちがうかー。
ヒヒヒ・・・、わざわざ墓場に出向かなくとも、こちらから来てやったぞ! オニども!
ど、どこだ!
ヒヒヒ・・・ヒヒヒ・・・お前らの目の前にいるぞ・・・。
・・・そろそろ姿を見せてやろうか・・・ヒーハーッ!
うぉっ。
ヒヒヒーッ! びびったかー!
・・・。
なんかちっちゃいね・・・
ああ。
ア・・・アレ?
ぜんぜんビビってないですね。
て、てめぇら、ちょっとはビビれよぉ! オバケだぞっ!
うむ。 お前らを見た途端に、いろいろと疑問がわいてしまってな。
っていうか、ビビる要素がないよ。
き、きさまッ!?
それは残念ですね。
そもそも、なぜオレたちの家にやってきた、お前ら。
そ、それはだな・・・
私たち最近、地獄を脱走してきたんです。 あ。 失礼、私水色魂こと"ジョセフ"。 そしてこちらが桃色魂こと"ポルナレフ"といいます。
そぉーうだっ! まいったかー!
脱走がいけない事とはわかってましたが、そもそも私は地獄に堕とされた理由がまったくわからず。 日頃からの耐えがたい地獄の刑を受けては、その仕打ちに納得もいかず・・・。 不満は増えていく一方でした。
そぉーうだ、そぉーうだ。
そんな折・・・若干ぬるめの・・・"火あぶり"の刑を受けていた時のことでした。 隣で同じ刑を受けていたこの桃色"ポルナレフ"から地獄に抜け道があることを教わったのです。
そぉーうだ、そぉーうだ!
そこのピンク、うるさいから静かにしてくれ。
なに・・・!?Σ( ̄□ ̄ )
ごめんねー。
くっ・・・!
・・・。 私たちは脱走を企てました。 ちなみに、その時は他にも脱走メンバーがいたのです。 そして、私たちは地獄の警備が手薄になるタイミングを見計らって脱走を決行しました。
ドキドキ・・・
途中、追手のオニや未知の土地を通り抜ける不安と戦いながら、私たちはどうにかこうにか逃げだせたのです。
ほう・・・。
しかし、私たちと共に逃げた他のメンバーは後で追いかけてきたオニたちに捕まり・・・連れ戻されてしまいました。
ヘッ! あの時、追いかけてきた地獄のオニたちの面は忘れやしねぇからなッ!
それはなかなか大変な旅だったな。 それでその追手からお前たちをかくまってくれるよう、オレたちにお願いしにきたのか?
それは・・・
違ぁーうわぁ、ボケェ!! オレたちはてめぇらオニにどんだけ苦しめられてきたかってことよ! 捕まった同志たちのことを思うと胸がムカムカしてくんだよぉっ!
そう・・・私たちはこれからも追手から逃げると同時にオニたちへの復讐も誓ったのです。 そして、私たちはこの近くの墓場をねぐらにしていたのですが・・・
さっき、犬を連れたそこのオニの姿を見かけたってわけだっ! オレは思ったさ! 今こそ復讐の時だ、と!
さっきも墓場の方、通ってきたのかよ、のぶお。
うーん・・・言われてみれば・・・。 まさかこんなめんどくさい事になるとはね☆(・ω・)+
完全な逆恨みだしな。
とばっちりもいいとこだよね。
お、お前ら・・・。
ところで、1つ気になってたんだが、お前が持ってるその筋トレ道具はなんなんだ。
これか、これは"エキスパンダー"と言って主に胸筋を・・・
いやいや、そうじゃなくて。 何のために持ってんだと聞いておる。
バカかっ! 鍛えるために決まってるだろ。
バカとは失礼なヤツだな。 鍛える肉体もないのに意味あるのか、それは?
ハッ!? それは・・・
生前はぜったい筋肉バカだろ、お前。
うっせぇ、バカだって言うなぁー!
お前が言いだしたんだろ・・・
んなこたぁ、どーでもいーんだよ! くらえオニどもッ! "墓場からの復讐"パーンチッ! うりゃーっ!!
(ふわさぁ~~~)
オリャーッ!!
(ふわさぁ~~~)
・・・ミカワ、パンチがすべてすり抜けてくるよ。
オレもだ。 痛くもかゆくもないな。
な、なんだとぉー!
やはりこの世のものには触れられないんですね。
ほーら、筋トレの意味ないだろ。
くっ・・・! おのれ・・・ッ!!
では、さっさと退散してくれ。
悪霊退散ー♪
しょうがないですね。 今回はいったん引き上げるとしましょう。
残念だったねー♪ ん? いったんってことは・・・そのうち、また来るの?
えぇ。 対策を考えてまた来ますよ。
・・・あきらめが悪いな。
また鍛えなおして、出直してくるからな、コノヤロー。
筋トレは意味ないけどな。
くっ・・・。
やれやれだね。
ほんと、やれやれですよ、まったく。
ジョ・・・ジョセフ、お前まで・・・( ̄□ ̄;)
いいから早く帰れよー。
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